屋根リフォームの時期は?(平板スレート編)

 「屋根のリフォームって何時ごろから検討すればいいの?」

「塗装と葺き替えのどちらがおススメですか?」

「葺き替えとカバー工法の違いは?」


一口に「屋根のリフォーム」と言っても様々な屋根材があり、

それぞれに適したリフォームが考えられます。


今回のコラムでは

広く普及している「平板スレート」について

お話していこうと思います。


まず「平板スレート」とは?

クボタカラーベスト「コロニアル」

ナショナル「フルベスト」

ニチハ「パミール」など


様々な建材メーカーが製造販売していた軽量な屋根材で

名前の通り薄い板のような形状をしており

平成14年頃までの製品にはアスベストが使用されていました。

(ニチハ「パミール」は含まれていなかったと記憶しております)


その多くは横幅910mm×縦410mm程度で固定用の穴が4つ開いています。

軽量(坪当たり約68kg)且つ緩勾配(2.5寸勾配~)にも対応可能と

ハウスメーカーが採用したこともあり広く普及しました。


現在ではKMEW(クボタとナショナルの外装材が統合)からアスベストを

排除した後継品が製造販売されています。



「平板スレート」の劣化と対策は?


「平板スレート」の劣化としてよく目にするのは、

ゼブラ状の褪色

(築後10年程度から)

コケの発生

(環境によって様々)

ヒビや割れ

(建築中の歩行などによる表面化しないクラックや

アンテナ工事・塗装工事などの際の歩行や足場による破損)

付随する板金役物の捲れや飛散など

(下地材の腐食などにより強風時に固定釘が抜けてしまうなど)


これらの劣化のうち、「褪色」と「コケの発生」

しっかりと洗浄して正しく塗装することで

数年寿命を延ばすことが可能となります。


また、ヒビや割れに関しても塗装の前に正しく補修することで

同様の効果が期待できます。


さらに板金役物の捲れや飛散においては、

下地材の劣化を伴う可能性が高いので

塗装前に下地から交換するという対策をとることで

同様の効果が期待できます。


以上のことから築後10年を経過していて上記のような劣化が認められる場合

必要な対策を講じた上での塗装が可能と判断して良いと思われます。


では


「葺き替え」や「カバー工法」を選択しなければならない

状況とは


「既に何度か塗装による化粧を施している場合」

(塗膜にはピンホールと呼ばれる小さな穴が開いています。

そこから吸い上げる雨水や露などの水分が屋根材の固定釘を通じて

劣化してシール性を失ったルーフィングを通り抜けてしまう)


「塗装時の対策が間違っていた場合」

(上記のようにピンホールからの毛細管現象を引き起こさないため

「平板スレート」の塗装後に「縁切り」「タスペーサー」を

入れるなど適切な対策を実行していない)


「雨漏りを放置してしまい、野地が腐食している場合」

など

これらの結果、野地板や屋根垂木などが腐食している場合は


「葺き替え」

既設屋根材を撤去し適切な下地処理後、新規に屋根材を葺きあげる。


メリット:同様の屋根材を使用した場合、建物に負担を掛けない。


デメリット:撤去屋根材の処分費用が加算される。

(アスベスト含有屋根材の場合、処分費用は高額になる)


「カバー工法」

既設屋根材を下地として

その上に防水シート(ルーフィング)を新規に敷き込み、

ガルバリウム鋼板屋根材等で包み込むように屋根を形成する。


メリット:高額な処分費が発生しない。

ガルバリウム鋼板屋根材なら坪当たり43kgと軽量


デメリット:アスベスト含有屋根材へのカバー工法は

次世代への先送りという考え方も

また、軽量とはいえ建物にかかる負担も存在します。



以上、いろいろと書き連ねてしまいましたが、

屋根のリフォームを検討するうえで肝心は事は

「信頼できる業者を見つけましょう」

という結論にいたります。


「誰のために」

「会社のためですか、成績のためですか違いますよね」

「誠実に」

「その場しのぎの嘘やごまかしは許されません」


そんな考え方で対応してくれる業者(担当者)を

見つける努力を惜しまずにというのが

私からお伝えしたい事になります。



次回は日本瓦(和形・洋瓦・平版瓦など)についてを

予定しております。



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